粕谷昌良の社会科授業日記

筑波大学附属小学校の粕谷昌良が社会科実践を報告します。

4.子供たちに「おてがら」を立てさせる資料作り

宮城県仙台市秋保のスーパー「さいち」は佐藤さん夫妻が営む地元密着のスーパーだが、外見の反して、開店前には行列ができ、16:00になると商品棚は空っぽになることも珍しくないのです。その写真を見ると、予想を裏切られた子供たちは「人気の秘密を調べたい!」となります。

 そこで、1枚の資料を提示します。それは、「さいち」の商品棚の配置図です。一見特徴のない配置図ですが、赤枠で囲った部分に秘密があります。「おはぎ」のコーナーが異常に長いのです。

 子供には、赤枠をつけずに配るのがコツです。そして、配る前に「何か気づいても、先生が教えてというまで言わないこと」と付け加えるのもコツです。

 もし、赤枠をつけたら子供たちは簡単に秘密を見つけてしまい、資料をじっくり見る目が育たないのです。つい、教師は親心で「少しでもわかりやすい資料を」と考えがちで、わかりやすい資料を作りがちです。しかし、少し抵抗があるくらいの資料のほうが、気づいたときに「あっ」と驚くとともに見つけたうれしいがあるものです。そして、高学年になるにつれて、じっくり資料をみる目が育ってきます。自分で調べるときも、資料に挑む姿も見られるようになってきます。

 もう一工夫あります。それは「発見してもすぐには言わせない」ことです。もし自由に言わせてしまうと、最初に発見した子供だけが「わかった」活躍して、資料の読み取りは終わってしまいます。ほかの子供は教えられるだけ。言わない約束をしておくと最初に発見した子供が「あっ」と気づくと、「なになに」とクラスの子供たちも気になって必死に探します。2人目が気付き「わかった」となり、さらに見つけようと必死になります。3人目、4人目と気づきの輪が広がっていきます。そして、ほぼ全員の子供が気付いたら、一斉に言わせるのです。そうすると、全員の「おてがら」になります。全員が活躍し、見つける喜びも味わえます。

このように、資料作りの一工夫、その読み取らせ方の一工夫で、授業もぐっと明るくドラマチックになります。

まとめ

①資料は、少し抵抗があるくらいがよい。

②資料を見せるときに「すぐに言わない」約束で、全員に発見させる喜びを。

 

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