粕谷昌良の社会科授業日記

筑波大学附属小学校の粕谷昌良が社会科実践を報告します。

7.佐藤さん夫妻の思い

宮城県秋保のスーパー「さいち」が行列になる秘密を調べていく子供たちは、「さいち」の人気はおはぎとお惣菜にあることを突き止め、さいちで売られているおはぎとお惣菜は、「製造に限りの消費期限」であることを知りました。意見を出し合い、添加物などに気づいていきます。そこで、資料を提示するまでが前回。

今回は、3回佐藤さんにお話を聞いてまとめた資料をお示しします。子供と同じように3か所の赤線を引くつもりで読んでみてください。

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◎スーパー人気の秘密    主婦の店「さいち」のこだわりはなにか?
インタビューした日 2015年6月20日と7月11日
答えてくれた人 佐藤啓二さん 澄子さん

○「さいちは」、父の代からの店を引き継ぎ、1979年に妻と二人で始めました。
 始めたころは大変苦労が多く、借金があった時もありましたが、決めたからには最後までやろうと36年間頑張ってきました。(啓二)
○お惣菜は「さいち」を始めたころから作っていました。妻が料理が得意だったからです。最初は「おひたし」とか「おにぎり」とかそんなものから始めていました。「そんな地味な物は売れない」とたくさんの人から言われましたが、お客さんに頼まれたものは必ず一生けん命つくるようにしてきました。(啓二)
○どうしてやめなかったかというと、二人で決めたことがあるからです。それは、「家庭の台所を再現しよう。」「本物を作ろう。」ということです。(啓二)
○本物、って一人一人考え方がちがいますよね。わたしたちの本物は、添加物は一切使わないということです。家庭料理はお母さんが、子どもたちや家族の健康を考えて丁寧に作りますよね。その中に添加物は入れないはずです。だから、私たちの目指す本物は「家庭の味の再現」なんですよ。(啓二)
○添加物を使わないから、賞味期限は全部その日限りです。本物だからどうしても腐ってしまうんです。だからたくさんおはぎを買っていかれるお客さんをお見かけすると声を掛けさせていただいています。今日中に食べられますかと。もし食べきれない場合は、お買い上げいただくことをお断りしています。売れるより大切なことがあるともいます。
○名物になった「秋保おはぎ」も、お客さんからのお願いで作りました。地元のおばあさんに「孫が帰ってくるから、おはぎを作ってくれない?」と頼まれたことがきっかけでした。作り始めたんですが、なかなか納得のできる味にならない。一日に何度も失敗するものだから、餡がたくさん無駄になる。お店も始めたばかりでお金がなくて苦しかったときですから、餡を何度も無駄にしたと社長(啓二さん)に言えない。こっそり裏の名取川に捨てていました。ようやく納得のできるものになったのは1年以上たった時でした。(澄子)
○お客さんは神様だと思います。「これが食べたい。」とか「もっとこうして欲しい。」と何でも教えてくれるんですから。だから、私もお客さんの要望には必ずこたえてきました。今は800種類くらいできるようになりました。毎日500種類くらい出します。今も午前1:30に厨房に入って料理を始めます。おいしくできても80点という気持ちで頑張ってきて、きづいたら36年たっていました。(澄子)

 

いかがでしたか。お店の工夫の学習だと、「お客様のため」という言葉が出てきますが、どうしても「お客様のため」という言葉が先行していて、実感が伴いません。しかし、佐藤さん夫妻の仕事ぶりには「お客様のため」が実感を伴って理解できる気がします。子供たちにもそれが伝わっていきます。(次回へ)