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粕谷昌良の社会科授業日記

筑波大学附属小学校の粕谷昌良が社会科実践を報告します。

10.さいちの調理室にあるモニターはなんのため?

さいちの調理室には、モニターがあります。どうしてモニターがあるのか考えました。

 

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子供の予想で、最初に出てくるのは「万引きを防ぐ」です。この意見の多くの児童がうなずきます。ほかにも「売れ行きを見ている」「商品を出しタイミングを見ている」などの意見が出てきます。「困っている人を助けるため」「商品の奪い合いを防ぐ」などとつながっていきます。スーパーの学習をしてきた成果が出ています。

 意見を出し合っていると、これまでの「さいち」の勉強を踏まえた意見も出てきます。「その日に食べる分だけなので、食べきれないくらい買おうとしている人に声をかけるんじゃないのか」「そうか、さいちの商品は当日限りだからね」「前の資料にのっていたよね」となり、資料を見せます。

質問 調理場のモニターはなんですか。
◎私どものお店は古くて、調理場から店舗の様子は見えません。調理場で作業をしていると、どうしても調理に熱中してしまい、何のためにやっているのかわからなくなります。
 でも、このモニターがあると、自分の作ったお惣菜がどれくらい売れているのかが分かって、やりがいにつながります。
 モニターだけではありません。出来上がった品物は、みんなで順番で店舗に並べるようにしています。店舗の雰囲気やお客様の声をみんなが感じ取れるようにするためです。
 店舗にいると、「このお惣菜、おいしかったわ。」と声をかけてくださることもあります。その時は、すぐに作った店員をよんでお客さんの前に連れてきて、「この子が作ったんですよ。」と紹介します。すると、その店員はものすごく感動しますね。その店員はお客様のことを考えながら調理をするようになります。すごく一生懸命に。するとまたお客様から褒められる。「人はお客様によって育てられる。」ということを強く実感しています。

 

子供は、自分たちの予想を上回るさいちの取り組みに驚かされます。

感想は以下の通りです。

・私はカメラの予想を書いたとき「絶対当たっている。」と思いました。でも、答えは予想とは全く違いびっくりしました。物知りになったようで、楽しかったです。お母さん、お父さんをびっくりさせたいです。
・ほめられて、うれしくなる。そのような繰り返しがいいなと思った。自分もうれしくなっちゃう。
・店の人がこんなに良く考えて、一つ一つ常にお客さんのことを考えて、よりよくお客さんと進化していく。すごく丁寧でお客さん思いで、進化していっているのが分かりました。
・調理場からどこまで売れているのかなと見たり、お客に褒められると作った人を連れてきて、熱心に作るように頑張るのですごい工夫だと思った。
・なぜ料理室にモニターがあるのか。僕にとって不思議だったけど、理由は店員がお客さんのことを考えながら調理するためでした。
・私の予想は一日で食べきれるか聞くためだと思ったけど、いろいろなことを考えてテレビを置いていることがわかった。このお惣菜、すごくおいしかったよと聞くとすぐに作った人を紹介するところがびっくりした。
・みんな順番に店舗に品物を並べることができると、店員も自分の作った品物が見ることができる。お客に褒められたら、その店員は一生懸命に作るようになるところがすごい。

・さいちは褒められたりしたら、「この人が作ったんですよ」と紹介して、「料理がうまいんですね。」など、もっと褒められて、褒められた人はもっと頑張るという気持ちになります。それを繰り返して積み重ねている。
・さいちの調理室にあるテレビは、自分の作ったお惣菜が、売れているかどうか見るためのテレビだったとわかった。さいちはお客さんに家庭の味を食べてもらいたいと思っている。だから、モニターを設置したり、順番に品出しをしている。やさしさがあるからモニターを設置したと思いました。
・作った人のお惣菜は全部味が違うけれど、どれもおいしくて人気があると思いました。お客さんに褒められると作った人を紹介するらしいけど、作った人は喜ぶけど、お客も喜ぶと思いました。どっちもどっちだと思います。私もそういうことをしたくなりました。
・お客さんから勇気をもらい、これからもがんばろうという気持ちになる。
・褒められるとその人を呼んで、この人ですよ。と紹介しているところが印象に残りました。私も誰かに褒められるようなことがしたいです。

 

さいちの工夫を次第に理解してきた子供たちは、自分もそういうことをしたくなったという感想が増えてきました。