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粕谷昌良の社会科授業日記

筑波大学附属小学校の粕谷昌良が社会科実践を報告します。

19.日本地理教育学会に参加して

10月16日(日)に日本大学で行われた「日本地理教育学会10月例会」で実践の提案をさせていただきました。会のテーマは「地域づくり・社会参画を見据えて地理学習」です。私は、現在連載しています「23区に海水浴場を取り戻せ」を提案してきました。私のほかにも、中学校から公文国際学園の齋藤先生、高等学校から専修大学附属の渡邉先生からご提案がありました。

 日ごろ、中高の実践を拝聴する機会があまりないので、大変刺激を受けて帰ってきました。次期指導要領では、中高とのつながりが一層重視されるそうです。目標の基本的な文章構成も小中高と同一になるそうです。ですから、小学校での学習が中高でどのように生かされているのか、また逆に、中高の学習を成立させるには小学校で何ができるのかを考えることができました。

 中高の実践でさすがだなと思ったことは、子供たちの実行力のすごさです。年齢が違うので当然かもしれませんが、確実に地域の力になるような取り組みをしていました。渡邉先生は、「生徒と地域が、win win の関係」であることを意識しているとのことでした。小学校ではどうしても、地域のお世話になってしまうのが実情でしょう。それが悩みで、教室での学習に終始してしまうこともあると思います。

 では、将来、社会に主体的にかかわり、実行力を発揮できる生徒の育成に、小学校では何ができるのでしょうか?

 私はやはり、地道に地域で起こっている事例を見つめる目を育てていくことだと思います。現在連載中の「東京湾」のお話も、次に連載予定の「水源林ボランティア」もそうですが、地域にはそういう集まりがあり、課題解決に挑んでいることを見せていく必要があると思います。知るということが大切だと思います。知らなければ何も始まらないのですから。希望を持てる事例の紹介をしていく必要があると思います。

 もう一つは、千葉大の竹内先生からもご助言いただいたのですが、「地域に頼れる場所」を見つけておくことです。高校生のように、「win win」の関係は無理でも、そこに行けば、教えてくれるとか、助けてくれるという場所を教師が作っておくことです。私は教材の取材でいくつもお世話になっている方がいて、大変心強いのですが、学区(学校の近く)にはまだありません。そういう場所を学区にも開発して、授業もそうですし、子供も頼れるような場所を設けることができたらと思います。

 なかなか難しいのですが、社会科の授業をするには、どうしても教室の中だけでは難しいかもしれません。少なくても、教師はいつでも外に向けて動いていけなければ、生きた事例を子供たちに提示できないと思います。

 

 中高の実践から頑張らねばと思う一日になりました。