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粕谷昌良の社会科授業日記

筑波大学附属小学校の粕谷昌良が社会科実践を報告します。

31.社会的なものの見方・考え方を育てる授業への挑戦③ お土産とは何か?

東京土産を交換し合った前回を振り返り、お土産物を選んだ理由を話してもらいました。

・味がいいから。

・おじいちゃんはおせんべいが好きだから。

という好みや相手を意識した理由や

・東京駅にちなんだものがいいと思ったから。

・東京でしか買えないものがいい。限定など

の理由が挙げられました。(板書を参考)

そこで「お土産とは何か考えるため」に、私の青森出張土産として「アルフォート」を配布しました。

子供は大騒ぎになります。

「なんで!」

「先生、どうかしてるよ」という声。

そこで『どうかしてるってどういうことですか?』と問い返します。

子供たちがそう発言する理由はわかるのですが、あえて言葉でしっかり言わせることで

子供たちに発言の根拠を整理させていきます。

すると「どこでも売っている」

「青森限定じゃない」

「青森に行かなくても買えるから、いった意味がないじゃないか」

などと答えます。お土産とは何か、自然と考えが向いてきます。

中には製造場所を調べて「先生、新潟生産だよ。だから、新潟土産ならわからないこともない」などともいう声も出ます。

「リンゴにちなむとかなかったの」という声もでるので、

『どうしてリンゴなの?』と発問します。少しずつ深めていきます。

子供たちは答えて「青森名産だからだよ」。

ほかの青森名産も挙げ始めます。

「ねぶたにちなむとか」

「大間のマグロ」

「リンゴ味のアルフォートなら許せる」などいろいろな声。

先生のお土産はふさわしくないということで一致しています。どうしてふさわしくないのか?『では、お土産った何?』ということで授業を閉じました。

 

無理せず、問い返しや揺さぶりをかけて、子供たちにお土産にはその土地の地域性が含まれていることに気づかせていきます。

物事を地理的に見ていく視点を育てていきます

児童の感想
・先生が青森土産にアルフォートを買ってきた。うれしかったが、アルフォートはどこにでも売っているから、今度行ったときは、そこの名物を買ってきてほしい。
・私は、青森土産と聞いてリンゴのクッキーかなと思ったけれど、先生のお土産はアルフォートだった。東京でも売っているし、コンビニでも売っているアルフォートをお土産にするのは間違いだと思う。
・先生は、青森のものではなく、どこにでも売っているものなのでおかしいと思う。辞書には、土地の産物と書いてあったから、先生のアルフォートはおいしかったけどお土産ではないと思う。
・お土産は、その地の限定のものだと思う。
アルフォートは青森の産物ではないし、どこにでも売っている。でも、とてもおいしかった。しかし、アルフォートは青森土産としては失格だと思う。
・私の土産は東京ばな奈で、どこにでも売っていないのに、先生は青森の駅で買ったアルフォートは私の家のそばのコンビニでも売っているので、おいしかったけどリンゴとかじゃなくて少しがっかりした。
・粕谷先生のお土産には反対。記念になるものや名産物じゃないと、青森に行ったことを忘れてしまったり「どこに行ったの?」とお土産を渡しても言われたりするので、粕谷先生のお土産に反対。
・粕谷先生のお土産は、少し変だと思う。ふつうは、その土地の特産物や限定、なかなか手に入らない物を買うと思う。それなのに先生はアルフォート。どこでも手に入る。おいしいし私も好きだけど。普通なら青森だから、リンゴを使ったリンゴジュースなどがいいとおもう。

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