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粕谷昌良の社会科授業日記

筑波大学附属小学校の粕谷昌良が社会科実践を報告します。

34.社会的なものの見方・考え方を育てる授業への挑戦  見学のまとめと人形焼のライバル出現!

今回の授業は、11月19日(土)に行われました授業研究会で公開した授業です。

たくさんの先生方に参観していただきましたことを感謝申し上げます。

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さて、日本橋人形町にある人形焼の老舗「板倉屋」さんの見学を振り返りました。

まず、私が見学で撮影した写真をスライドで見た後に、

『板倉屋さんの、すご・わざ・工夫を教えてください』と発問します。

指名は、相互指名で、児童が言葉をつないでいきます

教師は板書をしていきます。深めたいとき・視点を変えたいときは発問する約束です。

「つけたし」といって、挙手した場合は優先的に指さされる約束で、子供同士で深めることができる仕組みになっています。

話し合いは、以下の板書のように進んでいきました。

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・手焼きにこだわっている。

・笑顔がすごく素敵だった。

・付け足しで、藤井さんが笑顔だから、お客さんも笑顔で帰っていった。

・外国の賞もとっている。

・材料は国産にこだわっている。

・戦争のときに金属の型を取られそうになったけど、体を張って守った。

・そういう風に伝統を守ってきた。

・必ず売り切っている。

・付け足しで、一日1500個は作っているそうだよ。

と、見学を振り返ります。

そこで、

『では、人形焼は東京土産にふさわしいかな?』と発問します。

1部4年で作ったお土産の心得に照らし合わせて考えます。

・おいしいし、東京にしかない。

・戦争を潜り抜けるなど、由来がある。

・命がけで守ったところがすごいよね。

・でも、七福神はどこにでもある気もする。

・1から6はすべてクリアしているよ。

・手作業は、伝統の味になると思う。

と意見を述べる。

さらに、これまでのお土産の心得になかった、

愛情・伝統・笑顔といった要素も出てきました。これは、今度お土産の心を見直すことにしました。

さて、人形焼はふさわしいかの児童の意見は下のとおり。

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ほとんどの児童がふさわしいとなりました。

しかし、ここで児童にゆさぶりをかけます。

いつも言っているアナザーストーリーです。

スライドを見せながら、

じつは、東京駅で一番売れているお土産は人形焼ではないのです。

・インターネットの各種ランキングでは軒並み1位。

・雑誌の評価でも1位

・インタビュー「東京土産といえば?」の質問で、3人に2人がこのお土産をあげる。

・東京駅の売り上げで、全体の37%ほどを占めるといわれる。

あっというてきな人気のお土産は、

東京ばな奈なのです。

株式会社グレープストーンの方は、自信をもって作っているとコメントしている旨を伝えます。

子供は大いに揺さぶられ、

・じゃあ手焼きなのか?

・伝統があるのか?

と声を挙げます。

今回の授業はここまで。

次回、東京ばな奈のすごーい秘密に迫り、子供たちはあっと言うのでした。(続く)

授業の感想

・板倉屋の人形焼は2代目が戦争のときに命がけで鉄の型を守ったり、代々大事に受け継いできたりした味だ。そこに込めた愛情やこだわりはものすごく深いと感じます。
 人気の東京ばな奈は、機械で大量に作られているので、見学して分かった板倉屋さんの人形焼のこだわり・技・工夫にはるかに及ばないと思います。だから、ぼくは板倉屋の人形焼のほうが、東京土産にふさわしいと思います。
・私はやっぱり人形焼がいいと思う。東京ばな奈は東京の有名なものだけど、伝統がないから東京土産ではないと思う。でも田舎の人にあげるなら、「おいしくて、東京とついている」方がいいのかなとも思う。
東京ばな奈は確かにおいしいが、機械で作っているし部長さんは愛情を込めて作っているといったがそうしたら、自分の手で作ってほしいと思った。でも東京ばな奈はお土産ランキング1位だし、正直すごくおいしい。でもお土産は人形焼のほうが愛情がこもっていて手で焼いいているから、お土産にふさわしいのは人形焼だと思う。
・ぼくは、東京ばな奈は違うと思う。僕は東京ばな奈を買ったけど、機械だからだ。人形焼の藤井さんはみんなを笑顔にしようと対面販売しかしないようにしているから。あと東京ばな奈より、人形焼のほうが伝統がある。顔を七福神なのに6個しか作らない理由はもう一つは板倉屋さんにくるお客様が福の神だという理由。
・東京土産として私は人形焼がふさわしいと思った。なぜなら115年変わらず手作りして、伝統を守り、人地一つお客様のことを考えながら、朝4時から18時まで作っているからです。たくさん作ることはできないけれど、その分気持ちがたくさん詰まっているからです。それに比べて今日もらった東京ばな奈は機械がすべてやっていて、大量生産をしているので、私はお土産には選びません。でも古いもの新しいもののどちらもお土産として考えられ、作られているのは一緒だなと思いました。
・僕は1部4年で最もふさわしいと考えた人形焼の板倉屋さんと比較してみた。まず、作り方だが板倉屋は一つ一つ丁寧に手焼きで作っていて、技術が必要だ。そして愛情もある。
 一方東京ばな奈は、工場で機械を使って大量生産しているので、板倉屋のように一つ一つ愛情を注いでいるわけではないが、安心できる。
 つまり、板倉屋は一つ一つ丁寧に愛情を育てながら作って、笑顔にさせるが、東京ばな奈は工場で安く大量生産して、多くの人に食べてもらい、笑顔にするために、愛情を注いでいるということ。
 伝統でくらべると115年にはかなわないが、25年目で悪くないと思う。東京ばな奈はふさわしいと思う。
・私は、東京ばな奈はお土産としてふさわしくないと思う。理由は、バナナは東京の名物ではないからだ。1部4年で考えたお土産の条件に入っていた「風情を感じさせる」と「いったところの気持ちにさせる」も当てはまらないと思う。
・私は人形焼。東京ばな奈は歴史も新しいし、バナナが有名でもないから。お土産の心得にはその土地限定のものしか当てはまらない。一方で人形焼は115年の歴史と七福神の神社の風情を感じることができる。
東京ばな奈はふさわしくないと思う。外国で作られている材料もあるし。伝統がない。東京ばな奈自体はおいしいが、ちょっとなあ。