粕谷昌良の社会科授業日記

筑波大学附属小学校の粕谷昌良が社会科実践を報告します。

38.社会的なものの見方・考え方を育てる授業への挑戦   全国のお土産はどうなっているのか?

東京みやげとして何がふさわしいのか考えてきました。

最初、クラスでは「人形焼がふさわしいのでは?」と考えていました。

見学に行くと

①100年以上変わらない製法

日本橋七福神をモチーフにしている。

③太平洋戦争の金属回収を乗り越えて、金型を守ったエピソード

④対面販売にこだわり、作っている藤井さんも店員の皆さんも笑顔を大切にしている。

ことがわかり、東京土産としてふさわしいと分かりました。

しかし、現在1番売れているといわれているのは「東京ばな奈」です。

人形焼とは大きく違う最新技術を駆使したお菓子です。

児童は最初はふさわしくないと考えていましたが、調べていくと

①無菌、人の手よりも優しいロボットなど、フルオートメーション

②特産物のない東京だからこそ、あえて全国にほかに有名産地のないバナナを用いることで、どこの道府県のもない、東京らしさを表している。

③新しい東京土産になるように、最新の技術を使っている。

④「東京」の入れたネーミングのすばらしさ。

などを知ると、こちらこそがよいと考える児童も現れます。

伝統と由来のある人形焼か。

最新技術の東京ばな奈か?

迷うところです。話し合いも2時間に及びました。

そこで、全国の有名土産はどうなっているのか調べてみることにしました。

児童はご家庭の協力もあり、47都道府県の有名土産を調べていきます。

すると、ほとんどのお土産は、

人形焼のように伝統や地域の由来を含んでいたのです。

浜松のうなぎパイ

仙台の萩の月

大阪の岩おこし。

その他、特産物を使ったお土産は数知れず。歴史上の偉人に由来するものもかなりあります。調べてみると面白いものです。

お土産には、地理的・歴史的・人とにつながりがふんだんに含まれているので、

お土産をじっくり見つめてみると、その土地の様子がつかめるのです。

しかも、ここで得た地理的・歴史的・人とのつながり(公民的)見方を発揮して、今後はお土産の選び方などに、変化が期待できるのです。

さて、全国の有名土産はその多くが、人形焼のように地域の由来や歴史・風土を含んでいるのに、どうして東京は「東京ばな奈」のように、由来のないものが1番売れるのでしょうか。そこには、逆に東京らしさ、東京の風土があるのです。次回は最終回。東京となどういうところかに迫っていきます。

 

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