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粕谷昌良の社会科授業日記

筑波大学附属小学校の粕谷昌良が社会科実践を報告します。

47.「後藤新平が曲げてでも貫いたもの」 その⑥ 削減される予算案

新平が立てた復興計画は、

幹線道路の整備 道幅40m以上

隅田公園など大公園

隅田川など橋脚の整備

小学校などの建物の耐震化(鉄筋)と隣接公園

などに及び、事業費は33億円(他県を合わせると50億とも)とも言われました。

これは、当時の日本の国家予算が15億円、東京市の年間予算が1億1千万円でしたから、いかに巨額であったかが分かります。

そのため、

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のように、復興会議が開かれるとともに、縮小されてしまいます。

子供たちには、上の写真を見せると、

・新平さんの体も小さくなっていく。

・顔色も悪くなっていく。

・どうして反対されたんだ。

・予算が高すぎるんだよ。

などと言いながらも、予算が縮小されたことに反対する児童が多いのです。感想は以下のようになりました。どうして反対されたのか。それを、子供たちは新平の復興計画に賛成かどうかを問いながら考えていきます。(次回へ)

 

後藤新平が関東団震災の後、未来の設計図を想像して作った。それはたくさんのお金が必要だった。だから少ししか実現しなかった。その少しの奇跡の坂が、私たちのそばの播磨坂だったというところに驚いた。
後藤新平の復興案に賛成だ。その理由は、もう一度同じことが繰り返されるより、50億かかってもいいから被害が最小限にした方がいいと思う。結局は予算を少なくすることもできると思う。また同じことが起これば直すのにお金がかかる。後藤新平さんは、100年後(僕たちぐらいの世代)のことを考えてくれてとてもすごい人だと思う。
・もし私が震災にあい、生き残った人だったら、後藤さんの大賛成だ。きっと50億円から5億円になったときにはびっくりし、憤慨したことだろう。どうして後藤さんの考えに反対した人がいるのかわからない。この授業で、火災の恐ろしさを知った。逃げたところも焼けてしまい、人の上を歩き、逃げる。想像できないくらい怖いことだ。だから賛成なのだ。私はこのことを知って播磨坂がすごいと感心した。
・僕は新平に賛成だ。反対する人たちの意見だと、また同じことが起こったときに耐えられず復旧にお金がかかり、それが積み重なるととんでもないお金になってしまう。自分たちの生きている時代のことしか考えていない。でも、反対する人の気持ちもわかる。その頃は、人力車が通っていた。新平は自動車用の道路を計画していた。常識じゃ考えられないことだ。だけどやっぱりその先まで考えている新平の考えは正しいと思う。
・播磨坂がなぜ広いかというと復興道路だからだ。関東大震災の時は道幅が狭く、火がすぐ燃え移って大火災になり、たくさん人が死んだ。だから新平は100年先を見越した災害に強い街づくりを目指した。でも50億円もかかる計画案だったので5億年に削られて残念だと思った。私は新平の案に賛成だ。なぜなら、未来の人たちの命を助けることにつながるからだ。
・私は今までと違う東京で、人々の命を無駄にさせない。という目標が後藤さんにあると思う。今までの失敗を生かして、新しいことをすることに私は賛成だ。
後藤新平の復興案に反対する人が出てしまった。復興予算が10分の一になってしまいました。理由は?という気持ちになります。反対する理由がみんなが納得できるような理由があるならまだしも、理由がないのに減らすのはダメだと思います。しかも、減ってしまった5億円で中途半端な復興をしても意味がないと思います。つまり、やるなら徹底的にやらないと復興は無駄になってしまうと思います。
・復興するにあたって、調べてみたところ、地方に人が東京ばかりに金をかけるな!と反対したらしい。でも東京は日本の首都なんだから外国の人もやってくる。そんなときに日本の首都がだめだったら、日本に悪い印象ができてしまう。もし、5億の不幸だけで防災ができなかったら、日本は防災ができない国だと思われる。災害は必ず起きるのだから、それが広がりにくい対策を考えた30億円の復興計画が実現してほしかった。
・僕はあまり賛成ではありません。なぜなら復興案の費用が少し高すぎると思います。そのころは月収50円くらいです。50億のお金を使うのは少し使いすぎだと思います。今の五輪の費用でも文句を言われているけど、復興の費用も5億に下げられておかしくないと思います。
・新平が計画した復興のために50億は高すぎると思う。国の予算が13億なのに予算の4倍だと国民の税金を大幅に増やして国民に今よりもっと負担をかけてしまうからです。しかし、後藤は復興のためにすぐに震災の復旧に取り掛かったことはすごいと思う。
・私は予算に注目してみた。国や都が使うお金は、国民や都民が税金で払うことになる。復興予算をどれくらいにするかは、①どれくらい必要か、②どれくらい税金が支払えるか、の両方を考える必要がある。当初、復興予算は30億円。当時の国の予算約15億年の2倍。今の国の予算は約100兆円なので、その2倍は200兆円。200兆円の税金を払えるのか。
 今の国の税金は約50兆円。都の税金は5兆円。約200兆円は、国の税金の4年分。都の税金で40年分となる。国民や都民はそんなに高い税金を払うことはできない。どれだけ、税金を払えるかの面で問題があったと思う。
 最終的に、復興予算は5億円になった。同じように考えると、国の税金の7カ月分、都の税金の約6年分。これでも大きな金額だが、当時計画された道路を今、もっとたくさんのお金をかけて作っているところもある。どれだけ必要なのかの面で、もっとお金をかけてもよかったのかもしれない。