読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

粕谷昌良の社会科授業日記

筑波大学附属小学校の粕谷昌良が社会科実践を報告します。

59.東京で唯一の村、檜原村(島嶼部を除く) ~「檜原雅子」になった戸田雅子さん~ その①

2か月近く休んでしまったので、もうやめてしまったのかと思われた方もいると思います。今日から再開していきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 

今回は、新しい学習指導要領の中から、「多角的に考える」について、「檜原雅子」実践を軸に、話を進めていこうと思います。

今回の提案はズバリ「アナザーストーリー」の単元構成です。某テレビ局のマネじゃないのかですって?痛いところを突かれましたが、その番組のファンでもあります(笑)お許しいただきたいと思います。

 

次期学習指導要領では、目標や内容を「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」「学びに向かう力・人間性」の3つの柱に沿って明確化されています。私はその中の「思考力・判断力・表現力」の育成に当たって、「多角的に考え」と記されていることに注目したいと思います。なぜなら、将来の主権者になる子供たちには、自分のことはもちろん、それとおないくらい周囲の人の気持ちも考えて、判断したり、行動したりすることが大切になると考えているからです。米国の大統領選挙と北朝鮮との対立、英国のEU離脱国民投票、仏国の大統領選挙、日本においても憲法改正問題など、2者択一による人々の分断は深刻で将来への展望を欠き、生産的でないように感じます。中間層の没落が既存の政治システムや移民などへの批判など、ナショナリズムの台頭を生んでいます。自分の生活を脅かされれば誰もが冷静でいられなくなる。そして、自分さえよければという発想になります。自分さえよければ・・・という考えはもとをただせば新自由主義や強欲なマネー獲得に行きつくかもしれません。実際没落した中間層の矛先は、彼らにも向いていると思います。しっぺ返しを食うのかもしれません。この様な現在の反省からきっと次世代のリーダーは、強硬に持論を主張できる人ではなく、多角的に物事を捉え、人々の輪を作れる人なのだと思います。特別なリーダーでなくても日常生活や仕事において、人と人をつないでいける人はとても魅力的で幸せな生き方をしているように感じます。そのために、私は、多角的に見ることができる授業として、複数の人の立場を考えたアナザーストーリーを教材化し、子供たちと学んでいきたいと考えています。具体的に述べていきます。

 

私は、子供たちが多面的に考える力を発揮するような授業は、「今まで見えなかったものが見えるようになる」授業だと考えています。

大人でも子供でも日ごろ見慣れた事象でも、社会科授業を通して、その事象を見る目ががらりと変わることがあります。例えば人気のテレビ番組(テレビの話が多いな)ブラタモリは一度は行ったことのある土地の裏をタモリさんと追究していくことで、その土地への見方ががらりと変わる面白さがあります。社会の事象の裏にある様々な工夫や願いが込められていることを理解したから見方が変わるのです。

子供たちにしても、「そんな理由があったのか?」「今まで全く気付かなかった」など、心を揺さぶられ、学ぶことや知ることの楽しさに気づいていくような授業ができたら?次の社会科授業や世の中の出来事についても進んで考えを巡らせるようになっていくと思います。

今まで見えなかったことが見えるようになる経験を通して、子供たちは主体的な学び手になっていくのだと思います。

では、「見えなかったものがみえるようになってくる」授業をどのよう作っていったらよいのだろうか?そこで、私はアナザーストーリーのある社会科授業を提案したいと思います。

アナザーストーリとは、私は英語が苦手であるがアナザーとは「もう一つの」という意味らしいですね。同じ物語を異なる視点から見ることです。

端的に言ってアナザーストーリの授業は、単元で複数の視点を入れることです。私たちは単元を構成するとき起承転結を意識することがあると思います。

単元の中心概念や中心人物を追い、深めていくのが「起承」。

そして、別の角度から見る「転」に当たる部分に「アナザーストーリー」を用いるのです。。これは、新しい指導要領の示す「多角的に考え」を学ぶことの具体的な手立ての一つだと考えています。

トーリーを追うことで社会事象への理解を深め、アナザーストーリーで多面的に考えていく。そして、2つ以上の立場から社会事象を見つめたうえで、自分なりにどうしたらいいのか主体的に判断する。これが「ストーリーとアナザーストーリー」のある社会科授業です。

f:id:syakaikajugyou:20170516170518j:plain

今回は、教材として、4年生の県内の特色ある地域を取り上げます。産業や自然・地理、伝統行事などに特色のある地域を学ぶことで自分の住んでいる都道府県への理解を深めていく単元です。今回は、自然・地理の特色を中心にして東京都の檜原村を取り上げます。