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粕谷昌良の社会科授業日記

筑波大学附属小学校の粕谷昌良が社会科実践を報告します。

62.東京で唯一の村、檜原村 ~「檜原雅子」になった戸田雅子さん~

のらぼう菜に縁がなかった私は、五日市から奥の檜原村に向かいました。

檜原村に入るには、東京からですと五日市から入ることになります。この道が檜原村の大動脈になると思います。他にも山梨の上野原や奥多摩湖の方からも入りますが、この2本は特に冬は凍結や降雪で大変なようです。

このような交通事情が、都心からわずか55キロメートル程度しか離れていないにもかかわらず、自然の風景をとどめている理由の一つになっているのだと思います。

さて、檜原村に入ると、町役場があります。町役場から北へ行く道と南へ行く道に分かれているので、ちょうど役場の交差点が扇のかなめのようになっていることになります。そこには役場の他に学校もありますし、観光協会、消防署などもあります。

以前新聞で見つけた、第3セクターのコンビニもそこにありましたので、入ってみました。

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中に入ると、コンビニくらいの大きさの小さなスーパーです。生活に必要なものが売られています。新しいのでとてもきれいです。

檜原村にはスーパーやコンビニがありませんのでこのスーパーができて買い物が便利になったようです。一方で古くからの商店の中には、売り上げが落ちたという話も後で聞きました。難しい事情もあるようです。教材になるかな?と考えましたが、保留することにしました。教材にできるというのは直観のようなものが働くのですが、このときはそれを感じませんでした。直観といってもわからないので、自分の教材感を考えてみることにしました。

私が教材にしたいと思う事象や人は、

 

①学習指導要領の内容として適合しているもの

②その地域だけでなく、全国の多くの地域で問題になっている社会問題を含む。

③社会問題に対して前向きに取り組み、子供たちが希望を感じるもの

④子供たちなりに考えを持てたり、選択できるもの。

⑤できることなら、関われたり、参加できたりするもの

 

といったことだと思います。

特に、③は魅力的な人物や取り組みに当たるので、子供たちの学習意欲を高めるために欠かせません。また、希望のある教材は、社会科の究極の目標である「将来の主権者の育成」「子供たちの主体的な社会へのかかわり」に大きな影響を与えると思います。

若年ほど選挙の投票率が低いことが指摘され、主権者教育の必要性が言われいます。多くは選挙に関心を持つようにとか、模擬投票の実践が多いようです。それは大切なことだと思いますが、わたしは前提として、社会に関わろうという意識を育むことが大切だと思います。

「どうせ、何も変わらない」と考え、社会の出来事に無関心になる若者が多いようです。毎日の報道を聞いているとさもあろうなと思います。しかし、実際の社会はどうでしょうか、以外にも熱意あふれ問題に立ち向かう大人が多いと思います。これまで、紹介してきた東京23区に海水浴場を取り戻そうと尽力されてきた関口さんや、地域の人のために完全無添加のお惣菜を作り続ける佐藤さん夫妻、後藤新平もそうでしょう。個人の幸せと同じくらい、周囲の幸せを大切にし、取り組んでいる気持ちの良い人たちがたくさんいます。

そういう、困難な状況でも、前向きに取り組む人たちを教材として取り上げ、希望を持ってほしいと思っています。それが、社会に関わろうとする大前提を作るのだと思います。時間がかかるかも知らませんが、大切なものを育むことほど時間はかかるものだと思います。

 

今回の第3セクタースーパー「かあべえ」は保留となりました。

事前に有力と思っていた、のらぼう菜とかあべえに振られて、焦りだす私でした。

(つづく)