粕谷昌良の社会科授業日記

筑波大学附属小学校の粕谷昌良が社会科実践を報告します。

67.東京都で唯一の村、檜原村 ~「檜原雅子」になった戸田雅子さん~ その⑨

地域おこし協力隊の学習していけば、「過疎」の問題を考えることができます。

・野村さんの話をはじめとする現在の檜原村の様子(起)

・政府の対策としての「地域おこし協力隊」に広がり(承)

・実際の「地域おこし協力隊」(転)

・これからの檜原村(結)

と「起承転結」になり、転のアナザーストーリーでで杉本さんの学習をすれば、地域おこしの難しさと地域に住む人が主体的に取り組むことの大切さを学習できると思います。この様な大まかな計画で授業準備を進めていました。

1月下旬、社会科は「後藤新平が本当に貫いたもの」と「檜原村」の学習を同時並行で行うことにしました。理由は、どちらも掘り下げていくと、そこには「自治」が隠れているからです。どちらも根っこは同じなのです。その場合、一つの単元で迫ることと、2つの異なる教材で構成された単元で迫るのでは、どう違うのか。相乗効果があるのかなども、考えていきたいからです。イメージは、中学校・高等学校の、地歴、公民のようなものです。この結果は、今年の日本社会科教育学会の千葉大会で発表しようと思います。

さて、一度方針が決まっても、考え続けていると微妙に気持ちが揺らいでくるものです。確信をもって進めていく人もいらっしゃると思いましが、私は最後までこの気持ちの揺らぎを大切にしています。最後の最後でいい案が生まれる可能性を残しておきたいと考えています。特に今回は2つの単元を並行で考えていましたから、熟慮するにも時間的に不足していたので、最後の最後まで粘りたかったのです。

そんな1月も終わろうとしている檜原村の学習の導入で、檜原村の特産物マップを見て、学習をしているときに、ある児童が「ひのはら紅茶 檜原雅子ってかいてある」「変なの」などのつぶやきが聞こえてきました。

私もそれは知っていたのですが、インパクトを狙ったものだろうくらいにしか考えていませんでしたし、世の中にオーガニック(?詳しくないのですが)の紅茶みたいなものはたくさんありますので、そのような類だろうくらいにしか考えていませんでした。

しかし、授業で改めて子供のつぶやきを聞いてみると、なんか不思議な気がしてきました。ひょっとして・・・。

もう、公開まで時間がない。しかし、なぜか電話せずにはいられませんでした。

放課後電話をすると、男性が対応してくださいました。「檜原雅子開拓団です。」

お話によると、檜原雅子さんは、本当は戸田雅子さんと言って、都心から檜原村に移住され、檜原でお茶の栽培をし、それを紅茶にしているということでした。そして、檜原雅子開拓団は最近つくられ、雅子さんの活動を支援している団体だということでした。

戸田さんに会えないかと伝えたら、お話ししてみます。ということでした。

しかし、すぐに取りつないでもらえませんでしたので、時間的にアウトになると直感しました。残念な気持ちがありましたが、これまでの計画でも自信がないわけではないので前向きに授業は進めていました。(続く)