粕谷昌良の社会科授業日記

筑波大学附属小学校の粕谷昌良が社会科実践を報告します。

80.いよいよ筑波大学附属小学校 6月の公開研究会

毎年6月と2月の開かれる筑波大学附属小学校の研究会が、今週末の16日(金)17日(土)に迫ってきました。私は5年生の担任をしています。私のクラスは16日の金曜日は家庭科の授業をします。もちろん私が指導者ではありません。(ちなみに、私は高学年を持っていることが多かったので、家庭科のミシン指導は得意。子供が壊しても煤に直せていました。どうでもいいことだけど)

そして、17日(土)は私の社会科です。教材は「福島県のおコメ」です。南相馬で被災し、現在は相馬市に移られて農業をなさっている三浦広志さんを中心に「福島のおコメ」をとおして、社会的合意の難しさと意味を学んでいきます。

学校の研究テーマは「きめる学び」です。「きめる」活動は社会科ではこれまでもずっと大切に行われてきたように思います。例えば同じ学校の梅沢先生は、単元の冒頭から「どっち?」と子供に判断を迫ります。また、一人一人に意見を問うたり、その意見を明示するための名札を黒板上で移動させることは全国で広く行われています。子供たちが、学びとともに(知識を増やす、経験をしていく)、判断が変化していく。そのことにあまり疑問を持たれる方はいらっしゃらないと思います。子供たちにきめさせる学習は広く行われてきました。社会科においては、学習内容(知識)の獲得と同様かそれ以上に大切にされてきたのだと思います。知識の詰込みだけを目標にしてしまうと問題解決的に作られた今日の社会科教科書の使い方が分からなくなったり、暗記社会科になってしまうのだと思います。しかし、社会科授業は暗記でも詰込みでもありません。子供たちに知識を育むのと同じくらいに一人一人の考え方や判断を大切にしてきました。それは、社会科が将来の主権者を育てることを目標にしているからです。子供たち一人一人が、確かな社会認識をもとにして、よりよい社会を形成していくための判断をできるようにすることを目指しているからです。

だから、私としては、教材は未来への希望を持てるようなを取り上げてきました。また、展開としてはアナザーストーリーを用いで、いくつかの立場から考えられるようにしていきたいと実践してきました。独りよがりの判断や一面的なものの見方ではどうかという疑問があるからです。そして、この「きめる」活動を効果的に取り入れることを考えていきたいと思います。

今回は、一度子供たちが決めたことを再度検討する「きめなおし」の場面を取り扱いたいと思います。ただ、子供たちにとっては「きめなおしの場面だぞ」というようにならないように、「考えを変えていいかな?」というようなきめなおす必然を生み出せたらと考えています。これ以上はネタバレになるので書きません。

これまで取材を重ねてきた東日本大震災に関わる教材です。77号で少し書きました。5年生は、国土の単元で災害も多く取り扱います。1年間を通して東日本大震災を追いながら、将来の主権者として子供たちの力になる授業をしていきたいと思います。

 

夏休みは7月29日(土)と8月1日(火)に単元連続で「畠山さんと森は海の恋人。そして、震災」を行います。そちらも力を入れていきますのでご期待いただければと思います。長く教科書に掲載されている畠山さんの活動。私は震災後にまた新しい価値が備わったと感じています。今改めて畠山さんを見つめなおし、提案します。

f:id:syakaikajugyou:20170614074458j:plain

f:id:syakaikajugyou:20170614074524j:plain