粕谷昌良の社会科授業日記

筑波大学附属小学校の粕谷昌良が社会科実践を報告します。

86.「福島のおコメは安全です。胸を張って言えるけど、食べてくれなくてもいいんです」 その②

確かな判断をするのための、地道な認識の積み重ね。

東日本大震災時、5歳だった5年生が、福島の農業を脅かす原発事故と風評被害を学ぶには、その下地作りが大切です。確かな判断をするには、その判断材料が欠かせません。今回の学習に必要な知識・情報は

東日本大震災の被害

放射線の影響と汚染状況

③被災者方々の事例

これらを丹念に学んでいくことで、風評被害について科学的に考察できるとともに、自分だけでなく被災者の方に寄り添った多角的な考え方ができると考えました。

これらをすべて社会科で学ぶには時間が不足しているので、総合的な学習の時間を使用します。今年は、今回だけでなく、社会科のその他の単元や総合的な学習で、自然災害と社会参画をテーマに取り組んでいくので、①~③の学習は今後も生きてきます。先行投資といってよいと思います。

 

さて、今回の学習の最初は、ビデオで津波の様子を見ました。

いくつも震災関係のDVDが出ています。今回はちょっとずれますが福島の映像ではなく、岩手の映像を見せました。

子供たちは、津波に飲み込まれる町、あわてて非難する人々、高台から津波を見つめる無力感漂う人々の様子に、「こんなにひどかったんだ」と言葉を漏らします。

そして、

東日本大震災

2011年3月11日14時46分

震源 宮城県沖130キロメートル

マグニチュード 9.0(国内最大)

波高10m以上、最大遡上高40.1mの津波

死者・行方不明者 18449人

とスライドで流します。

そして、震災後に各新聞社から出た、縮刷版を配ります。

 

そこには、被災した人の様子が載っています。

それをゆっくり読んでい行く。

映像や数字も効果的ですが、人には心がありますから、人の出てくる様子を子供に示すとぐっと心情が研ぎ澄まされていきます。想像する力が育ってくると思います。