粕谷昌良の社会科授業日記

筑波大学附属小学校の粕谷昌良が社会科実践を報告します。

90.「福島のおコメは安全です。胸を張っていけるけど、食べてくれなくてもいいんです」 その⑥

15年かけて開発した「天のつぶ」

米作りの単元を学習していると、品種改良が出てくるのですが、

福島にも「天のつぶ」という品種改良されて作られたおいしいおコメがあります。

「天のつぶ」は15年という長時間かけられて作られた品種です。

福島は震災前全国4位の収穫量を誇っていましたし、3つの特Aコシヒカリがあるなど味にも定評がありました。

そのため、天のつぶが開発されても、農家の方の多くは「コシヒカリがあるのにいまさら」と感じ、あまり作られていなかったようです。

丁度その時東日本大震災が起きます。

天のつぶ」はコシヒカリや一目ぼれよりも背が低く、倒れにくいのが特徴で、いもち病におとよく粒の大きさの良い品種です。それに加え、「天のつぶ」は穂が出るとき天にまっすぐと伸びる稲で、とても力強いそうです。そんな姿を復興に重ね「天のつぶ」は、県の奨励品種として期待されて栽培され始めたと言います。

震災復興を担う「天のつぶ」ですが、

下の表を見てください。

 

 

ある大手スーパーのコメ売り場の価格5kg

新潟県南魚沼産「コシヒカリ」3980円

北海道の「ゆめぴりか」2980円

新潟のブランド米が2200円~2500円

福島県「天のつぶ」1880円

 

おいしいお米を食べてもらいたいと努力をしているのだが、震災前の1~2割ほど価格は落ちているのです。

 

全国平均と福島米の価格差

 

全国価格(60㎏)

福島米(60kg)

2010

 

 

-200

2011

15100

14000

-1100

2012

16500

16000

-500

2013

14700

13800

-900

2014

12000

10800

-1200

2015

13100

12100

-1000

 

激しい風評被害のため、価格が安く、儲けが出にくいのです。

私が、三浦さんの直売所「野馬土」に伺った時も、

5kgで、1600円の格安で、そのうえシールで150円引きとなっていました。

1450円です。

実物を買ってきたので、子供たちは驚きます。

・魚沼産は4000円近くもするのに!

・全袋検査のシールが貼ってあって、放射線はないのに。

・15年もかけたのに。

原発で苦労して、やっと米作りができたのに、また苦労。

 

風評被害の厳しさ。子供たちは、「食べるべき!」という児童が多いようです。

そこで、どうして、「安全なのに福島のおコメを食べないのか」次回、街頭調査に行くことにしました。

 

感想

放射能はほとんど0なのに、「イメージ」だけで福島は放射能がすごい、やばいと決めつけてしまうのはよくない。そんなことを言っていたら何十年たっても福島のコメは食べられないと思う。イメージだけで決めつけてほしくない。

 

・天のつぶの価格にびっくりした。コシヒカリ3980円なのに天のつぶは1880円なのだ。食べても害はないのに安すぎる。売れないから震災前より価格が1から2割落ちている。福島のコメは他県と差別されていてかわいそう。何にも害はないのに、「放射能がある」「怖い」などと言っていいのだろうか。みんな福島県民の気持ちがわかていない。三浦さんも値下げしていた。みんなに一生懸命作ったコメを食べてほしいと三浦さんは思っているのかな。

 

・「やすっ。」資料を見たとき思わずそう言ってしまった。福島の人たちは自分のせいじゃないのに努力している。福島のコメというだけで「放射能がある」といて避ける。その結果どんどん値段が下がっていき、福島の人たちの努力が無駄になってしまう。

 

・天のつぶの価格が安い理由は安くないと買ってもらえないから。福島産は放射能がたくさんかかっていると思っている人がたくさんいる。検査もしていて放射能がどれくらい入っているかわかっているのに。どうしても悪いイメージになってしまう。私はできるだけ皆に食べてもらいたい。福島の人たちが負けずに米作りをしているからだ。三浦さんは努力をしているのに価格が安くなっている。おかしいと思った。三浦さんたちの努力と愛情はどこへ行ってしまったのだろう。

 

15年かっけて開発したおコメ。みんなにやっと認められた福島県産天のつぶ。そんな時災害が起こって天のつぶが作れなくなってしまった。一瞬で水の泡になった。原発事故がなかったら再開できたと思う点のつぶは今は、絶対安全だ。福島のコメは0ベクレルなのだ。私は絶対に食べるし食べなくてはならない。

 

・福島のおコメは、普通ならしない作業や検査をしているから安全で買てくれる人も多いと思っていた。でも、先生からおコメの値段の資料が配られて、僕は愕然とした。新潟などのおコメは2500円以上なのに、福島のおコメは1880円。予想の真逆だった。最初はここまで安くはなかったと思う。でも福島の放射能のイメージで買わない人が増えて、この値段になったんだと思う。僕たちのように授業で勉強をしている人たちにとっては、愛情がこもったコメだが、三浦さんたちの努力を知らない人たちにとっては危険な米。つまり僕の考えは、みんなに三浦さんの努力をもっと知ってもらうこと。

 

・天のつぶが価格が低くてとてもびっくりした。天のつぶは価格が低すぎて儲かっていない。コメが放射線が入っていたり、わざと0と書いてうそをついているのではないかという意見の人がいた。でも私は三浦さんがそんなことをすはずがないと思う。だって、田をなくし、遺体安置所に入れられ、父親もショック死でなくなり、こんなつらい思いをした人が、人の体に放射線を入れたいと思うだろうか。ちゃんと放射線をはかっていて、お客様がはかってくれと言われたらはかっているのに。何か食べたら害があるのか。ないと思う。私は絶対に食べる。

 

 

おまけの話

今日は「ツール・ド・美ヶ原」でした。最大20%の斜度を超える激坂を21km延々と上ります。

4月の麦草峠の惨敗の後(上位51%)、5月の榛名山では上位25%と練習の成果が出ていました。

そして、迎えた第3戦。結果は上位17%と伸ばすことができました。

体力の充実は実感していて、数日前の健康診断でも脈拍41と若いころにだいぶ戻ってきました。

激坂に備えて、峠を「ダンシング縛り」という練習を取り入れ、一人悲鳴を上げながら

取り組んできました。その成果がしっかり出ていました。練習したからと言って成果が出るとは限らないけど、練習しなければ成果は出ない。(当たり前のこと)

榛名山では最後に粘れなかった反省から、今回は最後まで集中していました。

でも、これから上に行くのは大変でしょう。それはわかっているつもりです。

 

8月には「全日本マウンテンサイクリング IN 乗鞍」というヒルクライムの殿堂があります。そのアマチュア最高位を決めるチャンピオンクラスの出場権は1時間20分を切ることです。実は、今回の記録はかなりいい線で、ひょっとしたらその記録に届くかもしれないというところまで来ました。

4月の麦草峠の段階では、夢物語でしたが、現実的になってきました。

毎日仕事の合間を縫って少しずつ重ねてきた成果です。

大人になっても、目標を持ち、それに向かってアプローチし、達成して行くのは心地よいものです。

社会科でも当然目標があります。両方かなえます。

 

 

帰りの諏訪湖サービスエリアのスタバで。ダイエット中だから甘いものはダメなのに、「今日くらいはいいか?!」と「コーヒーフラペチーノ」、しかもベンティ!

弱い人間なんです(由井薗先輩 著作)

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