粕谷昌良の社会科授業日記

筑波大学附属小学校の粕谷昌良が社会科実践を報告します。

100.「福島のおコメは安全です。胸を張って言えるけど、食べてくれなくてもいいんです」 その⑬

「復興支援に動き出す子供たち」(追及の鬼?かな)

 

三浦さんは数十年後を見据えて、地道な農地回復に加えて、太陽光発電を行っていることが分かりました。

教室でも、三浦さんの行動力と前向きな様子がすごいと話題になりました。

しかし、三浦さんはあくまで農家の一人であって、全員が三浦さんのように前向きになれていないかもしれません。また、三浦さんにしてもおコメをはじめとする農産物が高く取引されることを望んでいないわけはありません。

 

教室では「福島のおコメを食べるべきか?」という議論の中で、

「自分たち40人が頑張っても、風評被害は止められない」という意見がありました。

「少しくらい買っても、解決にはならない」という意見も。

それとは逆に

「実態を知った私たちがきっかけにならなくてどうするの?」

「うちもお母さんは危険だといっていたけど、授業で私が学んで、調べたら危険じゃないかもといっていたよ。広めていけばいい」

という意見もありました。

 

では、実際に募金や支援はどれくらいになっているのでしょうか?

内閣府の防災情報サイトよると、2011年から2014年3月までの3年間で日本赤十字中央共同募金会日本放送協会及びNHK厚生文化事業団の4団体の合計で3743億円集まり、日本赤十字社によると海外からの支援も1001億円が集まったそうです。

日記に、義援金で建てられた学校や募金でできること調べてくる子も出てきました。

小さな善意が大きな力になります。

 

意味がないと考えていた子供も次第に、「やってみようか」と風向きが変わってきました。

具体的な支援の方法は、以前日記で「日本橋ふくしま館」というアンテナショップに行って「天のつぶ」を買ったという日記を書いてきた友達からヒントを得て、

クラスで「アンテナショップに言って買い物をしたら?」という意見が出てきました。

私も子供のできる無理のない支援になるだろうし、子どもも楽しみながら学べるいい学習になるなと思いました。

そこならば、もし食品に不安があっても非食品を買えばいいのです。

俄然盛り上がってきました。

 

そこで私が一つ提案をしました。

「しかし、ただおうちの人からお金をもらって福島のものを買っても・・・。」

ということです。自分で得たお金で支援してほしいと思いました。

そこで、ご家庭にも協力していただき、2週間でお手伝いをしてそれに応じてお金をいただく。例えば、風呂掃除1回10円のように。それを家庭で話し合って決めてもらい、たまったお金で支援することにしました。

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お手伝いは、とても意気込んだ児童が多かったようです。熱心にお手伝いをしたことが日記に書かれるようになりました。

そして、2週間が経ちました。子供たちは1000円程度のお金を貯めることができました。そして、楽しみにしていた「日本橋ふくしま館」見学です。

(続く)

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↑「日記」の紹介コーナー。張り出されると嬉しいですし、だれがどんなことを調べているのかも気になります。授業を離れても風評被害を追究する教室になってきました。