粕谷昌良の社会科授業日記

筑波大学附属小学校の粕谷昌良が社会科実践を報告します。

108.第18回初等社会科授業研究会が終わりました。ありがとうございました。

8月1日(火)は第18回初等社会科授業研究会でした。

大会のテーマは「多角的な見方考え方」でした。

私は、「畠山さんと森は海の恋人、そしてあの震災」の授業を行いました。

7月29日のしゃかつく研の続きです。

連続の授業を公開のするので、参観された先生に、リアルな授業展開を見ていただけるという良さがありますが、授業者としては、1時間で予定通りの内容と児童の認識を獲得させなければならないので、難しさもあります。

 

さて、授業は前回の終わりに、畠山さんは震災直後の第23回森は海の恋人植樹祭を開こうと声をかけることを断念した…というところまで学習し、一枚の写真を提示して終えました。(106参照)

そこで「この写真は何?」という問いから授業を始めました。

子供たちは

・漁師仲間がやろうと呼び掛けた。

・植樹祭に似たことをしたのではないか。

・畠山さんと活動してきた人たちが行ったのではないか。

・元の海に戻そう、震災に負けない!という気持ちで行ったのではないか。

・畠山さんは難しいけど、畠山さん以外の人、毎年やっている人がやったんじゃないか。

・舞根だけじゃなくて、県をまたいで参加したんじゃないか。

後藤新平の授業で学んだように、自治の精神がみんなに育ったんじゃないか。

・森と海は切り離せないから、続ける必要があったんじゃないか

などの意見が出ました。

とくに「後藤新平」の発言は、これまで、私がずっと教材に込めてきたテーマでしたのでうれしくなりました。

また、「森と海は切り離せない」という意見は、本単元の要点をしっかりとらえています。

さらに驚いたのは「これは、反旗ではないか」という意見。確かに旗を見ると反旗のよう見も見えます。この発言を聞くと、すぐに辞書を引き始める児童がいるのは、これまでの学習の積み重ね。わがクラスながらえらいです(笑)

この部分は私の予想外。今度畠山さんに伺ってみようと思います。

 

その後、畠山さんの取材記事を提示し、これは23回の植樹祭が開かれた様子であること。一緒に活動してきた室根山の人に「体一つで来てください。準備は全部します」と言われたことを学びました。

そして、「森は海の恋人は、森と海だけではないと思いました」

というところにほぼ全員が「心が動いたライン」を引きました。

子供たちは、

・人

・人のきずな

・協力

・人と人の信頼

・人と人のつながり

と意見を述べました。

ここで、児童の予想があっているか、続けて畠山さんのインタビュー記事を示す方法もあったと思います。もう一つの方法として畠山さんと森は海の恋人の植樹以外の活動を示して、人と人のつながりを大切にしてきた活動を示すこともできたと思います。

上のいずれかを示すか、とても悩みました。

どうして悩んだかというと、あまりにQ&Aを繰り返すと、展開が重くなることを経験で感じているからです。この場面での児童の予想・意見は政界に限りなく近く、児童の間では、確認が取れていると思います。それに、次の時間にも触れることになるので確認をしないことにしました。

 

また、本時は、畠山さんのインタビュー記事で「人のきずか」を引き出していますが、本来ならば、畠山さんを呼びに行った室根山の人に取材して、そのインタビュー記事を示すすべきでしょう。

そこまでやって「アナザーストーリー」ですし、多角的な見方・考え方が育つのかもしれません。

しかし、時間切れアウトでした。本教材は今年が初めてです。改善して、来年はもっと良くしていこうと思います。

 

そして、この後は検討会で賛否に分かれた展開です。

三陸は国の方針に従って人の住む海岸線は防潮堤・防波堤が作られているのに、舞根を含めた2か所だけは防潮・防波堤を作らないと決めたことです。

最初に新しく作られた数々の堤の画像を見せて、舞根の海を見せます。するとすぐある児童が「堤防がない」とつぶやきます。比較し、気づく喜びをスライドにも込めておきます。そして、つぶやいた児童には「なんて言ったの?」と問うのです。気づいた児童はうれしかったかもしれません。そういうひと工夫もします。

次の時間は、防潮堤をどうして作らなかったのか考えていきます。

 

この様な授業でしたが、参観して下さった先生方からは、防潮堤への質問が多かったように思います。

その時に正直なところをお話ししたので、詳しくは書きませんが、こういうつなぎは難しいところです。次の時間に頑張りたいと思います。

 

さて、アンケートを読ませていただくと、とてもありがたい意見がたくさん書かれていました。うれしい限りです。

子供たちもとても頑張っていました。参観された先生方に良い面を見ていただけたと思います。さらに子供たちの良い姿を見ていただけるように、教材研究を深め、指導技術を向上させていきたいと思います。また、子供たちの追究する力を高めていけたらと思います。

 

少し迷っているのですが、

この続きは8月26日(土)に開かれる、「価値判断力・意思決定力を育成する社会科授業研究会」と「道徳研究会」の共催研究会で行おうかと考えています。

よろしかったら続きをご覧ください。3回続きはなかなかないと思います。手の内すべてさらけ出しです。(笑)

とにかくありがとうございました。

3つの授業、1つの講座を終え、これで、一息がつけるな。

 

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