粕谷昌良の社会科授業日記

筑波大学附属小学校の粕谷昌良が社会科実践を報告します。

110.沖縄取材で発見! その③ 進化するパイナップル!

その②でサトウキビを紹介しましたが、そのほかにも沖縄には南の島ならではの農作物が栽培されています。

南国イメージのあるものでは、パイナップルやマンゴーでしょう。

また、南の温かい気候を生かしたものとして、菊栽培やスイカ栽培、各種野菜があります。

菊などは、当然他の地域でも栽培されている農作物ですが、冬場の温かい気候を生かして、燃料費を削減したり、収穫時期をずらしたりして、収益を上げることができます。現在、沖縄の菊栽培は教科書でも多く取りあげられています。

私が子供のころは、高原野菜の単元で、時期をずらして出荷することを学んだものです。(近郊農業で輸送費が安く、新鮮さの担保も学んだ)

 

しかし、どうでしょうか。「沖縄で菊栽培」という単元は。

取り扱う理由はよくわかるのですが、高原野菜と同じ理由ですし、暖かい地方ならではの産業とし魅力に欠く気がします。

それに比べて、パイナップルやマンゴーは暖かい地方の産物です。

特にパイナップルは、国内の99.84%が沖縄なのです。(そのほかは鹿児島と島嶼部)

THE・沖縄といえる農産物です。

 

しかし、サトウキビと同じように、パイナップル生産は、安い輸入パイナップルに押されてしまいます。特に1990年にパイン缶詰の輸入自由化は沖縄のパイン栽培を大きく後退させることになります。

現在は輸入:国産=150000トン:7000トンです。(2013年)

しかし、ここ数年、沖縄のパイナップルは新しい品種の開発など、缶詰用から生食用への転換によって少しずつ盛り返しているのです。

 

下の写真が沖縄県 東村 のパイナップル畑です。

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美しい海岸線に、パイナップルが植えられています。

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こんな風になっていすのです。

そして土がまたすごいのです。

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 赤いのです。これは肥料などで赤いのではないそうです。

沖縄の北部は酸性土壌で、このような色なのだそうです。

酸性土壌はサトウキビ栽培には適していないそうですが、パイナップルには欠かせないそうです。ですから、沖縄もよく見ていくと南部はサトウキビ畑が広がっていますが、北部はそれほどでもありません。

北部は、東村のパイナップルの他にも今帰仁村の菊やスイカなどの商品作物が有名です。おそらくサトウキビがあまり育たない酸性土壌だという恵まれない土質が、いち早くサトウキビ以外の作物への転化を生んだのかもしれません。そう考えるとマイナスをプラスにするのは人の工夫や知恵であると再認識させられます。

 

さて、そんな酸性土壌の東村では、現在、新しい品種を取り入れて、作付面積が上向いています。その中でも、「ゴールドバレル」という品種がすごい!

ゴールド=金

バレル=樽です。

樽のように大きく丸いから命名されたそうです。

普通のパイナップル(N67)が1kgから1.5kgなのに比べ

ゴールドバレルは1.5kg以上、大きなものは2.5kgにもなるそうです。

生食用として高額で取引されているそうですが、

生産量が追い付かず、現在はなかなか県外にまで届かず、入手困難だそうです。

農家の方は、作付面積を拡大しようと考えているようです。

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 そして、

食べてみると

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完熟パインはこれほどうまいのかというほどうまい。あまい。

私が取材した農家の方は、農協にすべて出荷しているようでしたが、

もし、個人で出荷していたら?相当高額になるだろうな。

東村では、このパイナップルを中心に地域の活性化に努めているそうです。

作付面積を増やして、買えるようになるといいな。

早速ネットで、見たら本当に買えませんでした。

 

なぜか、筑波大学附属小学校の給食ではパイン缶詰が多いけど(笑)輸入でしょうね。

沖縄のイメージにぴったりのパインが復活するといいです。

 

しかし、私はサトウキビ、パイナップル、菊と農家を取材していて、

沖縄の農業は基本的に厳しいなと実感することになりました。

それは、その④で。

 

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