粕谷昌良の社会科授業日記

筑波大学附属小学校の粕谷昌良が社会科実践を報告します。

123.「追究」を生む授業に必要な「教材」の見つけ方 その①エピローグ 

「子供たちと一緒に少しでも楽しい授業をしたい」を思うのは教壇に立つ者ならば誰でも思うことです。楽しい授業とは人それぞれ違うと思いますが、私は「追究していく楽しさ」があることだと思います。

子供たちが進んで「調べたい」「もっと知りたい」「話し合いたい」という気持ちになってくれれば、「追究」が始まります。

その「追究」を生むために欠かせないことが、「教材」と「教師の指導技術」と「学びの履歴」の3つだと思います。

どれも欠くことができないのですが、今回は「教材」について考えてみたいと思います。

 

今年に入って、自分の教室を離れて授業をさせていただく機会がありました。自分の教室を離れて授業をするのですから、子供達の授業スキル(調べる・話し合う技術)の積み重ねも教師との信頼関係もありません。ですから、前述した3つの大切なことのうち「学びの履歴」を生かすことはできません。そこで、残りの「教材」と「教師の指導技術」を頼りに授業をすることになります。

 

今年最初の自分のクラス以外の授業では、「福島のおコメは安全ですが。食べてくれなくても結構です」でした。自分のクラス以外の授業ですから、当然「第1時」の授業になります。問題作りの場面を参観していただくことになります。しかし、この教材を学ぶには、東日本大震災放射線の知識、東電の電力供給方法などをある程度知っていなければ理解が難しい教材です。問題作りに至るまでに時間がかかるので、自分のクラス以外で行うには難しい教材です。あまり、飛び込み授業に向いていないのかもしれません。

一方で「畠山さんと森は海の恋人、そしてあの震災」の授業は、「福島の・・・」に比べて、問題作りに至るまでの認識がもともと子供に備わっているものが多いのです。赤潮は写真一枚で被害の様子が想像できますし、養殖はスーパーマーケットに行けば表示がありますし、子供たちにとってなじみが深いと思います。ですから、問題を作るまでのハードルは低く、それほど難しい内容ではありません。飛び込み授業に向いているともいえます。

 

たった1時間という条件が付く場合には、行いやすい教材とそうでない教材があるとは思いますが、(これについても今後書いていきたいな)教室で行う場合には、子供たちが追究したくなる価値ある教材を授業で取り扱いたいと思います。「福島の・・・」も「畠山さんと・・・」も子供たちは授業を離れても関心を持て追究している児童がみられました。

 

さて、公開授業を1年間に最低2回、昨年は多かったので7回行う(今年も7回かな)現在は、いつも教材を見つけようという意識を高くしていなければなりません。

私の場合は、圧倒的に新聞から見つけることが多いのです。

インターネットが普及し、新聞を購読されていない方も増えているようです。無料で情報が提供されているのですからとてもありがたいことです。無料で情報が手に入るのにわざわざ月に4000円もかけて新聞を購読する価値があるのでしょうか。教材を見つけるという点で、私はまだまだ価値を失っていないと感じます。その新聞から見つける方法を次回からまとめてみようと思います。(続く)