粕谷昌良の社会科授業日記

筑波大学附属小学校の粕谷昌良が社会科実践を報告します。

220.主体的に社会に関わろうとする児童の育成に社会科授業ができること

社会科の目標は「社会認識を通して、市民的資質の育成を図る」こととされていますが、難しい言葉が並んでいるようなきがします。

 

正直わかったようなわからないような・・・。

申し少し簡単に書き換えるとしたら、

「世の中、すなわち社会の仕組みがかかること」そして「進んで社会に関わろうとする気持ちと力を育てる教科」と答えられると思います。

 前半の「社会の仕組みが分かる」と、後半の「進んで社会に関わろうとする気持ちと力」の2つに分けられることがポイントです。そして、特に後半の「進んで社会に関わろうとする気持ちと力」にまで手を届かせようと頑張っている教科が社会科なのではないでしょうか。

 

しかし、後半の「進んで社会に関わろうとする気持ちと力」まではなかなか届くのが難しい。

 

例えば、下のような事例がありますね。

平成29年10月22日に行われた第四八回衆議院議員選挙は、いわゆる「18歳以下選挙」として2回目の国政選挙でした。選挙権の変更は、実に71年ぶりの選挙年齢の変更でしたので注目度も高く、テレビや新聞では、連日、高校生の模擬投票や模擬選挙の授業の様子が報道されていました。その、選挙の結果はどう出ったでしょう。結果は、とても残念案ものでした。

 

全体投票率  53.7%

18歳投票率 50.7%

19歳投票率 32.4%

 

この結果を皆さんはどのようにとらえますか?

特に、19歳の投票率に目が行きます。国政選挙ではその前年の2016年7月10日が投票日の第24回参議院議員通常選挙が18歳以下選挙の最初でした。ですから、19歳の皆さんは、18歳の時にいわゆる模擬投票などを経験していたことになります。それから1年後の結果は残念な投票率に終わりました。

 「進んで社会に関わろうとする気持ちと力を育てる」社会科としては、大きな問題に直面していると言えるのではないでしょうか。はたして、社会科は将来の主権者に対し必要な資質・能力を育成することができるのでしょうか。

 

 私は、選挙の投票率だけが進んで社会に関わろうとする力を表しているとは思いませんが、一つの指標になることは間違いありません。そして、それはどうやら模擬投票や模擬選挙といった、結果と手立てが近い授業では育成されにくいのかもしれないと予想することができます。やはり、進んで社会に関わろうとする気持ちにならなければ、選挙に行く意味を見出せないと思います。投票率を伸ばすならば、方法を教えることに加えて、選挙に行く意味を見つけさせなければならないのでと思います。

 

 それには、模擬投票などに比べて少し時間がかかることですが、「世の中のしくみ」をじっくり学ぶことが大切だと思います。すなわち、社会科の目標である、「世の中、すなわち社会の仕組みがかかること」そして「進んで社会に関わろうとする気持ちと力を育てる教科」後半の育成に当たっては、前半の「世の中の仕組み」の学習の積み重ねが大切だと考えています。

 社会科授業において、社会の仕組みをまなび、その中から問題点を見つけることができるかがカギを握っています。すなわち、「深い学び」の実現です。

 

新しい学習指導要領に多角的という言葉があります。社会科教育に増回の深い先生に話を伺うと「多角的とは、立場複数」だと解釈する人が多いようです。多角的と同じような言葉に多面的がありますが、こちらは、中学校以上の学習指導要領に出てきます。

すなわち、多角的とは、一つの社会事象を二人以上の異なる立場から考えることを指します。多面的な見方ですと、一つの社会事象を経済面や環境面から考えるということですから、小学生の子どもたちには少し難しいのかもしれません。しかし、多角的ならば、「○さんはこう考えている」「□さんは、こう思って行動している」と考えることができ親しみも生じます。人によりそうことで、子どもたちは心を動かされ、自分のことのように考えやすいこともよい点です。人の立場に立つのはことの良さは知識面だけでなく子どもたちの情意面にも響くからではないでしょうか。

ですから、この「多角的」が一つのキーワードになると思います。 

 

明日は(予定)多角的なものの見方を育てるための具体的な手立てを考えていこうと思います。

 

おまけ

NBAが開幕したので、ロケッツVSレイカーズ楽天TVで、ローラーこぎながら観戦(一度に2役)。負けはしたもののレブロン一人でこれほどチームが強くなるとは。スーパースターは違うなあ。

・マックを使い始めていますが、慣れなくて、あれやこれや迷っています。速度出ず。書物溜まっているのに・・・。

 

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