粕谷昌良の社会科授業日記

筑波大学附属小学校の粕谷昌良が社会科実践を報告します。

221.唐木先生のプロジェクト型学習

多角的なものの見方・考え方が学びを深めることにつながると思いますが、どのような授業を行ったならば、育成されるのでしょうか。

 

例えば、いつもお世話になっている筑波大学の唐木清志教授は『「公民的資質」とは何か―社会科の過去・現在・未来を探る-』(東洋館出版社)の中で、社会参画の理念を社会科に浸透させるには、」学習をプロジェクト型にする必要があると述べ、学習段階を下記のように示しています。

 
 

「Ⅰ問題把握」→「Ⅱ問題分析」→「Ⅲ意思決定」→「Ⅳ提案・参画」

 

 

 唐木先生は社会参画というとどうしても「Ⅳ提案・参画」に目が向きがちになるが、前半部分「Ⅰ」「Ⅱ」をしっかりつかませ、子供の学習意欲を引き出すことが大切だと述べています。そうでないと、「活動あって、学びなし」の授業になると指摘していることが注目されます。

私は、プロジェクト型の学習の良さは、Ⅰ・Ⅱにおいて、混沌とした社会事象の中から自分で問題を見出すということもあると考えています。そこで、社会で起きている出来事を深く知ることが、その後の行動に大きな力を及ぼすと考えています。

前回(220)で紹介した「18歳選挙」が行われる直前に盛んにおこなわれていた、模擬投票投は「Ⅲ意思決定」「Ⅳ提案・参画」だけを取り出した授業になってしまったのだと考えられます。結果を求めたいがゆえの指導だったのでしょう。

この事実と唐木先生の指摘を踏まえたとき、「Ⅲ」や「Ⅳ」と同様かそれ以上の価値が「Ⅰ」「Ⅱ」にあるのだと考えられます。子供たちが社会問題をじっくりと考え「どうにかしなくては」「関わってみたい」と、自らの意思が出てくることが大切なのだと思います。

このように、社会科の目標である「世の中のしくみがわかる」ことと「進んで社会に関わろうとする気持ちと力を育てる」はどちらか一つを取り出してはならないものであり、世の中の仕組みをよく知ることが何よりも大切だと分かります。

 次回は、このプロジェクト学習をヒントに、私なりの授業作りを模索していきます。

 

おまけ

・以前から愛用していたiPadにキーボードをつけてみました。ノートPCの代わりになるといいのですが。メモには使えそう。プレゼンはどうかな。良い使い方があったら教えてください。目が良くないので長時間は厳しいな。

・2月公開は少しだけ進展。現在のクラスの子どもたちとの最後の公開だから、みんなにとって良い授業になるようにという願いは強い。精一杯取り組もうと思います。

 ・10月27日(土)は価値判断力・意思決定力を育成する社会科授業研究会です。テーマは「見方・考え方の系統」代表の梅澤先生は、3つの授業を行うそう。すごい。私は、お茶大付属小の岡田先生・佐藤先生・岩坂先生とシンポジウム。色々考えるところがあるから楽しみ。久しぶりに懇親会でお酒でも飲もうかな。それも、楽しみ。

 

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