粕谷昌良の社会科授業日記

筑波大学附属小学校の粕谷昌良が社会科実践を報告します。

269.地球のうらの友達も その⑧

第8時

ねらい

 ・山口さんの取組と決断から、国際協力について自分の考えを再構成しようとする。

 

展開

1.学習問題を作る。

○前時の学習を振り返る。

・本当に支援が届いているのかバングラディッシュに確かめに行った山口さんの話。

・挫折のような気持を味わった。

山口さんがバングラディッシュに残った?帰国した?

 

2.自分の考えを述べる。

・よそ者と感じてしまった。

・田中さんや蒲さんは対等な付き合いをしていた。

・山口さんも何かしようと思っていったけど、それがつらくなる原因になっているのでは。

対等・同じ目線、ともに歩むという視点気づけば?

・対等とか、同じ目線とか、そういうことに気づいていけるんじゃないかな。

 

〇山口さんがどうして、ジュートを選んだのか考えさせる。また、実際にジュートに触れてもらい、それが困難な道であることも予想させる。

 ○山口さんの考える国際協力を知り、国際協力を再考する。

3.苦労の末、ハンド度バッグを作り上げた山口さんの取組を知る。

〇資料を読んで、山口さんの考え方を理解する。

発展途上国だから、という製品は作りたくないんだ。

フェアトレードのいう意味は・・・。

・希望を持った。

〇ジュートをさわってみる。そして、完成させた製品を見る。

・ごわごわの製品が変わった。

・相当苦労したと思う。

 

4.メディアに取り上げられた山口さん。

○ようやく、日本で商品を販売でき、メディアに取り上げられたことを知る。

・全く納得していない。

・伝えてほしかったことではない。

どうして、山口さんは書き直しをお願いしたのか?

 

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私の振り返り

1時間の流れは、前の時間と同じにしました。

子供達に意見を言ってもらい、私はひたすら板書をします。

意見が出終わったところで、子供達に、板書の記述の中から大切だと思ったことに赤線を引いてもらう。そして、赤で、本時の要点をまとめていきます。

山口さんがバングラディッシュに残ったり、去ったりするのを決めるのではなく、

残るのならその理由、残らないのならその理由を言い合う中で、

JICA支援で学んだような、信頼関係が欠かせないことに気づいていけたらと思いました。

それは、前時の最後に感じた「よそ者」では成り立たないということから、

山口さんが、バングラディッシュで始めたバッグ作りの意味と意義を追求していきたいからです。

 

さて、そのほか、ジュードのままでは180円、バッグにすると20000円という実物を見せることで、現地の素材を使いながらも、それを掘り起こすことで、利益が上がる事などを学んでいきます。それが、ビジネスとして山口さんもバングラの方も共に歩めることになるのです。

 

さて、苦労の末、バングラ徳さんのジュードからバッグを作り上げた山口さん。

せっかくメディアの取り上げられたのに、書き直しをお願いします。

どうしてなのか❓それを事実追求していきます。

それが、JICAとも違う、山口さんの取り組みなのです。

 

資料

山口絵理子のストーリー その②

 

「本当に日本とつながっているのかなあ」

毎晩どうやって生きていけばいいか、大学院を卒業したらどうしようか悩んでいた。

この国に自分の居場所がないと思い、日本に帰り普通に生活しようと思った。

適当にウェブサイトで就職先を当たり、新規採用のページをクリックして応募した。翌年の3月には一時帰国し、就職面接意を受け、ある会社から内定をもらった。うれしかった。しかし、それよりも日本の豊かさや平和な風景に、自分が違和感を抱いていることに気がついた。

(本当にこれが私のしたかった選択なのか・・・)

自分でも答えられなかった。モヤモヤしながら時間は過ぎていった。

 

バングラディッシュに戻ると、インターンで採用された三井物産の所長さんに

「今日、中小企業フェスティバルがあるから、君、そこへ行って新しい商材を見つけてきなさい」

「はい!」

私は張り切ってデジタルカメラを持って会場に向かったが、着くと会場は何とも小さく、来客者もいない展示室でがっかりした。

(なーんだ)

とことこ一周して、最後のブースに来た。そのとき目に付いたボロボロのバッグがあった。

(ん?ジュート?)

バッグのラベルには「JUTE」と書いてあった。

(ジュートって何だろう?)

早速事務所にインターネットで調べてみる。

なんとバングラが世界の輸出量の90%を占める天然繊維であることが分かった。さらに、光合成で綿の5から6倍の二酸化炭素を吸収し、廃棄しても土にかえるなど、非常に環境にやさしい素材でる。

もともとコーヒー豆を入れる袋などに使用されていた。

「これだ!」と思った。

 

東京の友人たちに、バングラディッシュ産のジュートバッグに商機があるか、メールで聞いてみた。

バングラディッシュってどこにあるの?」

「その国に全く興味はないよね」

「社会の為とか、貧しい人の為とかだけでは、商品は売れないんじゃない」

「品質はそもそも大丈夫なの?」

「日本での販売実績はなく、時期尚早」

そんなメールが送られてきた。

 

正直悔しいと思ったけど、工場を探してサンプルを作ることにした。

いわゆるフェアートレードと呼ばれる商品は、品質が良くなくても、かわいそうだからという気持ちで消費者に買われ、結果、満足には程遠い商品は、使われずにタンスにしまわれてしまう。次には買ってもらえない。

わたしは、それに疑問を感じていた。そして、いま求められているもの、私が挑戦すべきことは、単純に「かわいい!欲しい!」と心から思えるものを、バングラディッシュから発信することではないかと思った。

 今の、バングラディッシュの生産者は、先進国から安い労働力として雇われ、それをこなすだけだ。うつむきながらミシンを縫うのをやめ、「誇りとプライド」を持ってものづくりに当たる。そうして、できた新商品を、先進国のお客様は使い、満足する。

発展途上国のブランド」を作る。

まさに夢物語だった。

 

徒然

今日は体調も戻ってきて一安心。しかしやること多くて、現在もPCに向かっている。

仕方ないですね。やりたい仕事なので。頑張ろうと思います。

 

🔽取材時に、JICAのカフェで食べたカレー。日替わりか週替わりかで、いろいろな国の料理が提供されているらしい。このカレーはどういう由来だったか詳しくは忘れてしまった。とほほ。

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