粕谷昌良の社会科授業日記

筑波大学附属小学校の粕谷昌良が社会科実践を報告します。

270.今日の授業  思い出の授業を一工夫

今日は、3年生の授業で

「残したいもの 伝えたいこと 〜23区に海水浴場を取り戻せ〜」を行いました。

これは、4年前に私が初めてつくばに赴任した年に開発した単元です。

お祭りなどの地域の行事を題材として行う単元ですが、

4年までに、学習指導要領を読んだ上で、

また、新聞の記事に「50年ぶりに海水浴場復活」という記事を見て、

これだと思い、取材をして作った単元です。

 

葛西の漁師の家庭に生まれた関口さんとふるさと東京を考える実行委員会の皆さんが、幼い頃に過ごした葛西の海を取り戻そうと、

埋め立てられた葛西の海に作られた人口の砂浜、葛西海浜公園に海水浴場を復活支える物語です。

30年の活動の成果によって、現在は条件付きで海水浴が認められるまでになりました。

最初は、関口さんたちの活動を追って、教材化をしようと考えて取材を重ねていたのですが、埋め立て側のことも考えないといけないなと思い、

都庁の港湾局への取材も並行して行いました。

そして、都庁に通う日々に。

ついに、当時の港湾局長だった奥村さんの書いた文章を見つけることができ、

都民の幸せや用地の問題を解決しなければならなかった港湾局長の立場についても考える単元が出来上がりました。

疲労困憊になり、入院に追い込まれた痛い経験付きでしたが)

アナザーストーリーの授業の始まりとも言える思い出のある単元です。

 

それから毎年3年生ではこの授業を行なっているのですが、

単元の終末で「埋め立ての賛否」を考える場面では、関口さんの立場に立って考える児童と、奥村さんの立場で考える児童で、意見が続出します。盛り上がると言って良いと思います。

今日は、その場面でした。

 

ただし、前から書いていますように、賛否を問うことは、それが目的ではなく、あくまで手段です。

本当の目的は、みんなが幸せになるためにどうしたらいのかを考えていく事です。

そして、関口さんは環境や故郷を大切にし、奥村さんは経済成長や都全体を考えていることに気づいていきます。また、多くの人の利益と一人一人の持つ人権についても考えることができます。

 

それは、わたしの教材にいつでも潜ませていることで、まとめたりはしません。

4年生で行う水道も、ゴミも、後藤新平も、檜原村も、

5年生の三浦さん、畠山さん、田中正造

6年生の大仏も、ふるさと納税も、そして今行っている国際協力も。

根底には、ある価値を存在を潜ませています。

それを学習していくうちに、

社会を形成するために、必要な価値の存在に気づいていくという工夫です。

だんだん、「〇〇の時も、そうだった」という発言も出てきます。

 

さて、今年も変化を加えてより良い授業を目指しています。

今年は、

子供達にたくさん意見を言ってもらった後で、

立場を変えて、友達の発言で大切だと思ったことを一つ選んでもらいました。

すると「〇〇は、すごく納得させられた」というように、友達の意見を認めることができました。

それを赤で囲んで行きました。

また、そのことから、関口さんの立場と奥村さんの立場の違いにも気づいていけました。

 

今回取り入れた工夫は私の出場を減らし、子供の出場を増やすという意味からも

有効だったなあと思いました。

日々の工夫を重ねていきたいです。また、継続取材もしていきたいです。

 

 

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徒然

・今日は、少し早く帰宅したのですが、食事の後、うとうとしてしまい、慌てて起きて、これを書く。時間を無駄にしたのか。いや、疲れていたから回復には仕方がないのか。気分的には、前者と捉えてしまい、自分が嫌になる。

・食べ過ぎ継続。相当やばいな。