粕谷昌良の社会科授業日記

筑波大学附属小学校の粕谷昌良が社会科実践を報告します。

272.地球のうらの友達も その⑨

第9時 

●ねらい

書き直しをお願いした山口さんの考えを知ることで、山口さんの取り組みの意味を考え、国際協力のあり方を再考する。

 

●展開

 

1、どうして山口さんはメディアに取り上げられたのに書き直しをお願いしたのか意見を述べあう。

 

・支援ではなくパートナーと考えているから。

・自分一人で商品を作ったのではないから。

・支援というと誤解が出てくる。

・支援というよりビジネス。

 

2 山口さんの考えを知る。

・ボランティアではない。

・かわいそうでもない。

・商品が良いから買ってもらう。

・対等な関係。

 

3 山口さんのしていることはなんだろうか。

・商売をしている。

・途上国を助けているけど、自分も儲けている。

・だから、支援とは少し違う。

・でも、支援nにも似ている。

 

4 時事への見通しを持つ

 

「山口さんのしていることは、支援なのか、支援ではないのか」

 

 

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本時の資料

 

山口絵理子のストーリー その③

 

私は記者さんに「あくまでビジネスとしてやることがマザーハウスの意義なんです」

と伝えた。

すると、記者さんは

「みんなが自分を応援しているなんて、勘違いするな!」といった。

大きな媒体だったが、真実とは違うことを伝えられるのであれば、記事を辞退することにした。

 

しかし、その後も

「バッグやなんて、絶対成功しないよ。慶応に入ったのにねえ」

「君、ビジネスの子と全然わかっていないねえ。そんなんでやっていこうと思っているの?このバッグ欲しいと思う?」

バングラディッシュの写真を使って善意に訴えながら、自分はビジネスでお金儲けをするなんておかしい」

「今の状態を見るとビジネスになり切れていないね。白紙に戻すことも選択の一つだ」

と言われてきた。

 私ははっとした。

今まで走り続けてきたから前進していると思ったけど、応援してくれる人が増えても、売り上げは伸びていかない。

 メディアでの取り上げ方も、商品ではなく、私個人に対するものだった。

 そして、バッグを買ってくださった方からの注文メールを読むと「貧しい人っ体のために何かしたいから」「国際協力したいから」という内容が多く、バッグが欲しくて買ってくれるお客様はわずかだった。

 お客様の「かわいそう」という気持ちに訴えてマーケティングしている。フェアトレードが嫌いだと言いつつ、自分もそんな気持ちに甘えていたのかもしれないという事実が、恥ずかしくて、悔しくてたまらなかった。

 

 

 

●私の振り返り

子供達の意見は素晴らしく、山口さんの書き直しの意図を捉えていたと思う。

板書の赤字は、子供たとがひねり出したものですから、山口さんの取り組みの価値を十分考えていますし、それが、国際協力にもなっていることが十分理解できていると思います。山口さんにとって、バングラの方は支援する人ではなく、ビジネスパートナーなんですね。

単元を開発した意図である、「価値ありき」「支援ありき」ではない授業になっていると思いました。「価値に気づいて、納得した人が支援をする。」また、「支援にもいろいろな形がある」「自分の満足や利益にもつながる方法の一つ。」という点にに付けていると思いました。

そろそろ最終回。寂しいなあ。

 

徒然

・修学旅行あるグループの子供達もいただいた箸です。お礼ですって。限られたお小遣いから。ありがたいことです。また、もう別のグループから、紙すき体験で作った紙でお手紙をいただきました。嬉しいですね。

本当にありがとうございます。

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・いちごって、設備を整えればどこでも栽培できるのかな。昨日家族で行ってみて思ったことです。その土地でしかできない作物ってあるけど、その逆なのかな。少し興味が出てきた。

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