粕谷昌良の社会科授業日記

筑波大学附属小学校の粕谷昌良が社会科実践を報告します。

273.地球のうらの友達も その10

第10時間目

 

ねらい

国際協力について、様々な方法があることを理解するとともに、自分はどのように関わるか判断する。

 

展開

1 自分がなるならJICAか、それともマザーハウスか考え、意見を述べる。

・山口さんは成功したけど、自分はうまくできるかわからない。

・山口さんの取り組みの方が、現地の人との信頼をむず部ことができる。

・0から作るから、信頼は強くなる。

・山口さんの取り組みで利益を得ることができる人は一部ではないか。JICA支援は多くの人にとって有効ではないか。

・JICAは国が背後にあるので、安定しているというか、リスクが少ないというか。

・JICAの方がやりやすさがある。

・JICAは自分が得意なことを生かしてできるから良いと思うんです。

 

2 マザーハウスで働く人のインタビューを読み、彼女たちが何を大切にしているのか考える。

・人生を豊かにするということを大切にしている。(多数)

・世界の人と繋がりたいと考えている。

 

3 国際協力はすべきなのか、自分の関わり方を決める。

・すべきことだと思う。でも、全員がしなくてはならないものではない。

・押し付けられてやるべきものではない。自分で決めるべき。

・国際協力をするというと偽善っぽい。自分で納得するからやるもの。

・自分のためにもなるということも大切。

 

私の振り返り

本時は単元、最後の時間の位置付け。(実は、まだ残ってしまった内容も一つあるが)

当初から目指していた「貢献ありき」という授業にはしたくないという考えは実現できていたのではないかと。

誰もが自分の人生では大切にすべきものがあり、それと社会への貢献がうまく組み合わさればいうことがない。

子供達は

「国際協力はするべきことだとおもうけど、絶対しなくてはならないことではない」「押し付けではダメ」

「必ずやるというのは偽善っぽい」

という発言にほくそ笑む。

国際協力の必要性への認識と、事後実現との兼ね合い。

そういうことを感じてくれていたのかなと思います。

アンケートやノートの記述をしっかり分析して授業の成果と課題を明らかにしたいと思います。それはまた後日。

 

今日の授業と子供達が書いていたものを走り読みした感じでは

私が、3年間貫いてきた、

アナザーストーリーによる多角的なものの見方と、

自治・自分という根底に潜ませてきた価値は

それなりに伝わっていったのかもしれないと、楽観視したい気分です。

 

あー。終えてしまったな。

今は、寂しさしか残らない。

授業をもうすることができないと思うポッカリ穴が空いたな。

次回はおそらく最後の授業。精一杯頑張ろうと心に決めて・・・。

 

 

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本時の資料

マザーハウス本店

広報担当

Hさん

2018年11月14日

 

マザーハウスで働く人は海外にどれくらいいるのですか?

現在海外で働くスタッフは、バングラディッシュ230人、ネパール180人、インドネシア7人、スリランカ30人、インド30人です。取り扱う製品も、バングラディッシュのジュートのバッグに始まり、ネパールの絹織物、インドネシアの金細工、スリランカの宝石などその土地の特産品を使った製品を送り出しています。

 

 現地の方の給料は、スキルのよって給料は違うのですが、その国でもらえる1.2倍程度支払っています。少し少ない気もしますか?でも、多すぎたらどうなるかも考えてみないといけません。さて、途上国では、給料が支払われないこと、遅れることが多いのですが、マザーハウスは決められて日に支払っています。期限を守ることで、働く人の生活が助かっていると思います。また、ビジネスでは期限を守るということの大切さをつたえることにもなります。また、賃金の一部を社内で積み立てています。積み立てたお金は、会社を辞める時にまとまったお金として渡しています。マザーハウスを辞めても新しい仕事を始めやすくしています。これも、貯蓄の大切さを理解してもらうことに貢献していると思います。

 

 また、生活するためにお金が大切なのは当然ですが、マザーハウスはそれだけを大切にした会社ではありません。マザーハウスでは、人間として楽しく仕事ができることを大切にしています。

途上国では、先進国から仕事をもらう工場が多くを占めています。先進国から請け負う仕事は、安い賃金でたくさん作ることが求められています。先進国の下請け工場のような感じです。皆さんの身近にある製品は、途上国の生産品が多いと思います。それは、安い賃金で大量に生産できるから途上国に工場を作って、途上国の人が一生懸命作っているのです。黙々と同じ作業を続けて働きます。そして、賃金はとても安い。しかし、マザーハウスでは、一つのバッグを一人の職人が作っていきます。それは、最初から最後まで作ることで、製品を作る喜びと責任を持つためです。マザーハウスでは販売した製品で壊れてしまった場合には、持ってきてくださったら、必ず直しておかえしします。戻ってきたバッグのこわれたところはを作った人におしえてあげます。すると、こんなに使ってくれたんだとか、ここをこうしたほうがよかったなと振り返ることができます。大量生産にはない喜びと責任を関します。途上国の人に、働くことの責任や向上心を持つことの大切さを伝えることにも貢献していると思います。ですから、マザーハウスで働く人は、都合などで一度辞めた人もまた戻ってきてくれることが多いのです。

 

〇Hさんはどうしてマザーハウスに勤めているのですか?

働きがいを大切にしているのはバングラだけでなく、私たち日本の社員も同じです。私はイタリアにホームスティして世界の人々とつながる喜びを感じました。また、広告代理店のような宣伝の仕事にも興味がありました。私は、その両方を満たせるマザーハウスの一員になることができてよかったと思います。

私の他にも、マザーハウスで働く人は途上国への関心があって就職した人は多いと思います。しかし、それと同じくらい、自分の人生を豊かにすることも大切にしています。その両方をかなえてくれる場所がマザーハウスで働くということなのです。

マザーハウスの商品は、山口が申していますように、かわいそうだから買ってもらうのではなく、製品が良いから買ってもらうことに努めています。そして、その商品は7割が物の価値、残りの3割は商品の持つストーリーだと考えています。途上国との仲間で作った価値のある製品をこれからも作っていきたいと考えています。

 

 

徒然

・今日は、卒業式につける子供達全員分のコサージュを頼みにいったのですが、量が多すぎて引き受けてくれにくく苦戦。引き受けてくれた花屋さんのご主人は、江戸弁が素敵。落語に出てくるような人。義理と人情という感じ。こういう人惹かれるなあ。

・その後、駅前の札幌軒で食事。ブーブー丼という、肉炒めとチャシュー半々のどんぶり。美味しかった。それから10時過ぎまで仕事して、連日だからもう限界だと退勤。Y先輩を社会科キャラバン号で宿泊場所までお送りしてから帰宅。それからバナナ食べてしまうやばい私。もう満腹中枢がおかしくなってるな。